(伝統工芸品にも指定されている白鷹織のラベル)
ひたちの桜ぞめ

志お屋八十周年記念作品として創り上げた「ひたちの桜ぞめ」は、日本のさくら名所百選にも選ばれている日立市の「平和通りの桜」を染料として織り上げた「白鷹織」のお召です。
「白鷹織」は山形県白鷹町で織られる織物で、糸を草木染め100%で染め手織で織られている伝統的工芸品です。本場米琉と呼ばれ、織る人のぬくもりが着る人に感じられるすばらしい織物です。
ことの始まり

かねてから日立市の桜で着物を染めることができないかと考えていた矢先に、二〇〇六年二月平和通りの桜を植え替えることを新聞で知りました。日立市観光協会に処分する桜の枝を頂くことができるかどうかお伺いをしたところ、快くご承諾をいただき今回の作品を創るはこびになりました。
 

 
桜の染色について

染色と機織を依頼した白鷹織の織元によると桜の木から染料を作るには九十リットル容量の袋三個分の小枝が必要になるそうです。枝の太さは小指くらい、しかも花の咲く前の枝がよいそうです。今回は二月に伐採ということでタイミングよく平和通りの桜の枝が使用できました。三本植え替えられましたが使用できた木は一本のみ。それもちょうど三袋分しか採れませんでした。今回の桜染めは本当に貴重な作品となりました。
日立の平和通に五十年以上咲き続けた桜の木を着物に形を変えて大切に残すこと、創作の想いが今ここに完成しました。


(白鷹織は手で織られます。)

(染料に何度も糸を浸けて染上げます。)
桜染め&白鷹織の工程

山形県白鷹町で桜の枝より染料を作り、糸染めを行いました。一つは焙煎をアルミニウムで行ない、より純粋に桜の木の色を染め、もう一つは焙煎を銅で行ない少し濃い目に染上げました。銅は日立鉱山と日立の桜と掛け合わせを意識して染めてみました。どちらも味わいのある色に染め上がり、これより手織の機で二〜三ヶ月掛けて織られます。織られる本数はアルミ焙煎が四本(二本無地、二本横縞)、銅の焙煎が二本(無地)です。

(桜の枝を細かく砕いて煮立てて染料を作ります。)


 
 
白鷹織の織元は「株窒スか織」。ここで手機織職人の佐藤新一さんの機織で「ひたちの桜ぞめ」が織られました。佐藤さんは東京銀座の柳で染織されたり、他にも全国の名産の草木で染織された作品を作られたりしています。手織で織るため2〜3ヶ月はかかるそうです。
「白たかお召」は、全国でも名高い織元の一つです。

アルミ焙煎の縦糸にチタン焙煎の
横糸を織込んだ縞模様のお召

銅を焙煎に使い深い地色に
染上げた生成り色の無地のお召

アルミ焙煎を使いより純粋に
色を抽出した白茶色の無地のお召



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